同人誌 より一部掲載
好き、想いは同じだから <試し読み1>
大好きな人が、自分のことを好きだと言ってくれた。
仲谷皇祐が想いを寄せていたのは、高校の頃の同級生、小此木敦貴だった。
自分の気持ちを相手に伝えるつもりもなかったし、その想いが叶うことは一生ないと思っていた。
それが、彼と再会し、初めは身体を重ねるだけの微妙な関係だったが、最終的には恋人として付き合うことになった。
皇祐にとって、これ以上の幸せはない。長年の片思いが叶って満足だった。
だけど、これがゴールではなかった。この幸せな現状を維持していくことの方が大変なのだ。
そして、一度幸せを味わってしまえば、その幸せが当たり前になり、それ以上を求めるようになる。
人というのは、そういう生き物なのだ。
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