同人誌より一部掲載

アイドル天使 ユキ*ハル 2 <試し読み2>




「お疲れ様でした」
 撮影が終わり、マネージャーの金井と話していれば、すぐさまハルが倖弥の元に駆け寄ってくる。
「ユキヤさん、次の仕事は何?」
「今日はもうオフだから、ジムに行くよ」
「身体づくり? えらいね」
「……えらくないよ、ハルについていくのが大変だから」
 ある時、ハルがダンスを取り入れたいと言い出した。倖弥は、無理だと即座に断る。
 だが、アイドルグループのSchatzシャッツにいた時から、ハルは誰よりもダンスを得意としていて、実力があると評価されていた。それなのに、倖弥のせいでハルもダンスをしないとなれば、宝の持ち腐れになってしまう。
 倖弥は悩んだ末、ハルのためにも、「ユキとハル」のユニットにダンスを取り入れることを了承した。
 まだ身体づくりしか始めていなかったから、歌いながら踊るということが本当にできるかどうかはわからなかった。それでも、チャレンジしていきたいと強く思ったのだ。
「ジムまで、まだ時間ある? 少し付き合って」
 ハルは、倖弥の手を取り、引っ張っていく。
「ちょっと、どこに行くの?」
「いいから」
 ふふっと意味深に笑って、倖弥を連れて行く。着いたのは、スタジオの奥のトイレだった。
「トイレなら、一人で行きなよ」
「一人じゃ嫌だよ」
 トイレも一人で行けないほど、寂しがり屋になったのか。
 半ば呆れつつも、倖弥はハルに従っていた。
 すると、掴んでいた手に力を込められ、ぐいっと引っ張られる。そして、そのまま個室に押し込められた。
「ハル、何してんの!」
 出ようと思った瞬間、ぐいっと腰を掴まれ、奥に押される。
「へへっ、やっと二人きりになれた」
「こんなところで、二人きりになれても嬉しくないよ」
「そう?」
 可愛く小首を傾げた後、口づけをしてくる。ちゅっと軽くするだけかと思いきや、すぐさま舌が侵入してきて、倖弥は、ハルの身体を勢いよく押した。
「ふざけないで!」
「ふざけてない。しようよ、ね?」
「な、何言ってんの?」
 突然の申し入れに、甲高い声が出た。
「朝、邪魔が入ってできなかったじゃん。今日も、オレ帰ってくるの遅いし、明日の朝も早いもん。いつまでたってもできないよ」
「だからって、何で今なの?」
「今、したいからだよ」
 そう言って、再び口づけしてくる。
 深く甘い優しい口づけに、場所がトイレだということも忘れて、一気に夢中になった。このまま少しくらいしてもいいかな、なんて考えるのだから困ってしまう。
 倖弥は、ハルから唇を離し、視線を合わせた。
「ハル、やっぱりこんなところじゃ、やだよ」
「オレは、我慢できない。ユキヤさん、後ろ向いて」
 倖弥の発言は聞いてもらえず、強引に後ろを向かされた。
 ベルトを外され、ボトムを下着ごと下げる。下半身に冷たい空気が触れた。
「は、ハル……」
 心許なくて、縋るように名を呼ぶが、ハルは聞く耳を持たない。力強く、性器を握られ、叫ぶような声が漏れた。
「あうっ……」
「ユキヤさん、あんまり声出さないで。ここのトイレ、ほとんど人来ないけど、ばれないとは言いきれないから」
 それなら、こんなところでしないで欲しい。そう強く思ったが、倖弥もはっきりと否定できないのだ。
 声を漏らさないように、ハルは倖弥の口を手で押さえ、性器をゆっくりと扱いてくる。
 倖弥は、バランスを取るために壁に両手をついた。ハルの手のひらに吐息をかける。だんだん身体が熱くなっていった。
「ほら、気持ち良くなってきたでしょ?」
 強弱をつけながら、性器を刺激し、時折、先端を爪の先で弾いてくる。気持ちが良くて、身体が震え、腰が揺れた。
「もうこんなに硬くなってる。先っぽ、濡れ濡れだよ。ユキヤさんもしたかったんじゃない?」
 最近は、ハルと時間が合わなくて、触れ合うことがなかった。そのせいか、倖弥も興奮していた。しかも、誰かに見つかるんじゃないかという状況が、更に気持ちを上昇させる。
「こっちも準備しないとね、ユキヤさん、声我慢してて」
 ハルは、倖弥の口を押えていた手を離し、その手で尻を撫でた。揉むように手のひらで触れた後、尻の割れ目に指を入れ、蕾を叩くように刺激してきた。
「んんっ……」
 それだけで、がくがくと腰が揺れた。早く、もっと奥まで触れて欲しいと、身体が訴えていた。
「あれ? ここ、挿れて欲しいの?」
 何度も頷けば、ゆっくりとハルの指が穴を広げるように侵入してきた。何度か抜き差しを繰り返した後、指を増やされる。顔を伏せ、唇を噛んで声を殺した。痛みはほとんどなく、快感だけが身体を支配する。声を出すことができないせいか、苦しくて涙が滲んだ。
「すごい……指に吸い付いてくるよ」
 指だけでは足りなくて、欲するように腰を何度も揺らしてしまった。
「ユキヤさん、オレ我慢できないよ。挿れてもいい?」
「うん」
 待ちきれなかったようで、返事をしたと同時に、ハルは自分のベルトを外していた。
 倖弥の気持ちも同じだ。早く挿れて欲しかった。指ではなく、ハルの大きなもので。







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